2.6KB

<< 直前のページへ戻る
 

■宗桂 〜飛翔の譜〜

< | No.1216 | >

トップページ > 棋書ミシュラン! > 宗桂 〜飛翔の譜〜
宗桂 〜飛翔の譜〜(1)
zoom
宗桂 〜飛翔の譜〜
全3巻
[総合評価]
B+
(1巻時点)

絵:A
ストーリー:B+
構成:A
キャラ:A

この本をAmazonで見る

【著 者】 星野泰視 渡辺明/監修
【出版社】 リイド社
発行:2019年3月〜2020年3月 ISBN:
定価:734円(8%税込) 208ページ/cm
宗桂 〜飛翔の譜〜(1)
≪1巻≫
2019年3月
宗桂 〜飛翔の譜〜(2)
≪2巻≫
2019年9月
宗桂 〜飛翔の譜〜(3)
≪3巻≫
2020年3月


【本の内容】
〔1巻〕
(1)桔梗屋 (2)浦見 (3)お香 (4)家治 (5)鬼外

◆内容紹介
大江戸将棋エンタメ、堂々の開帳!『哲也』の星野泰視×棋王・渡辺明、最強タッグによる本格将棋エンターテインメント!

安永四年(1775 )、江戸――実在した将棋指しの物語。江戸には代々、将棋で俸禄を得る“将軍家将棋指南役”、つまり幕府公認の将棋指しがいた。実在した「将棋御三家」である。この物語は、御三家筆頭・大橋本家当主にして、後に八世名人を襲位する「九代目大橋宗桂」と、彼を巡る将棋指したちが織りなす葛藤と真剣勝負、夢と情を描いた本格将棋ドラマである。

星野泰視だから描けるひりつく勝負、渡辺明だから成り立つ唯一無二の精巧な将棋図面。指さない「観る将」でも将棋の内容が分かる!
本作で指される将棋は、現存する江戸時代の棋譜をベースにしたものはもちろん、それとは別に約半数は将棋界を代表するトップ棋士・渡辺二冠(棋王・王将)の手で初手から投了まで組み立てたオリジナルのもので構成。そこに『哲也-雀聖と呼ばれた男-』を大ヒットに導いた星野泰視による、濃密なキャラクターと心理戦が加わり、さらに史実も絡んだ深みのある「本格将棋エンターテインメント」に仕上がっています。さらにそれに留まらず、渡辺二冠による書き下ろし解説コラムを一話一話に追加!“将棋をしっかり描いている”のに“初心者も理解できる”、新しい将棋漫画体験がここに!


【レビュー】
九代大橋宗桂の若き日々を描いた将棋マンガ。


〔あらすじ〕
将軍家将棋指南役の九代大橋宗桂は、先代の遺言により、偽の免状を持つ人間を探している。


〔主な登場人物〕
[宗桂(そうけい)]
九代・大橋宗桂。「宗桂」を継ぐ前の名は「印寿」。将軍家将棋指南役を務める。細めのおとなしそうな青年だが、将棋に没入すると鋭い顔つきになる。普段は、何か選択肢があると長考し、「え〜と」が口癖。よく刀を置き忘れる。早見え早指し。腕っぷしは弱い。将棋に一途すぎる…かも?
棋力=S、武力=D

[勝助(かつすけ)]
老中・田沼意次の息子。将棋はあまり強くない割に賭け将棋が好きで、だまされやすい。喧嘩は強く、剣の腕も確かである。男気もある。賭け将棋の尻拭いをしてくれた宗桂と、なんとなく行動を共にするようになる。
棋力=D、武力=A

[お香(おこう)]
宗桂の従兄妹。宗桂ほどではないが高い棋力の持ち主で、市井の「免状持ち」を総なめにするほど。格闘術の心得もある。従妹のよしみで、大橋家に出入りするようになる。
棋力=A、武力=B

[田沼意次]
江戸幕府のえらいさん。
棋力=?、武力=?、政治力=A?

[徳川家治]
十三代将軍。城中はつまらん!
棋力=B、武力=?、権力=S(実態はC?)

[平賀源内]
いろいろ天才。
知力=S、特殊能力=瞬時記憶

〔寸評〕
・歴史上実在した人物を題材にしたフィクション。
→歴史で習った有名人がどう絡んでいくか楽しみですね。
・ドラマ重視なので、将棋のことが分からなくても問題なし。

・登場する棋譜は基本的に渡辺明棋王の創作。
→なので、当時なかったはず(?)の「横歩取り青野流」なども登場する。
→作中の盤面の一部を見て「青野流じゃん!」と思ったら、各話の合間に挿入されている渡辺のコラムにしっかり書かれていた。対局者の力関係を想定して棋譜を作っているようだ。

・作者は麻雀マンガの名作『哲也』の星野泰視。作画の雰囲気はほぼ『哲也』のままでした。
・盤面や将棋シーンは、丁寧に書かれていて、違和感はほとんどなし。
・自玉が寄せられそうな局面で「私の玉がもうすぐ詰む…!」はちょっと変ですけど。(詰めろにはなっていないし)

〔総評〕
一般向けの将棋マンガで、江戸時代の家元を持ってくるとはビックリしました。わたしも九代大橋宗桂のことは、『日本将棋大系 第七巻 九代大橋宗桂』(有吉道夫,筑摩書房,1979)でチラッと読んだことがあるくらいで、詳しくは知らないのですが、このマンガを読むと、フィクションのはずなのに「九代大橋宗桂ってこんな感じだったのかも」とスンナリと受け入れてしまいます。

また、平賀源内・徳川家治など、すでに何らかのイメージがある人物が、作者なりの視点で魅力ある人物に仕上がっています。モブたちが見事な雑魚っぷりなのもいいです(笑)。宗桂が将棋に一途すぎて、何かやらかしてしまいそうな危うさも気になりますね。

2巻は2019年9月発売だそうですけど、今から楽しみです。(回想かスピンオフで、看寿や宗看や天野宗歩も出てきたりしてくれんかな)



【関連書籍】

[ジャンル] 将棋コミック
[シリーズ] 
[著者] 星野泰視 渡辺明
[発行年] 2019年

< | >

トップページ > 棋書ミシュラン! > 宗桂 〜飛翔の譜〜


Copyright(C) 1999-2024 【将棋 棋書ミシュラン!】 All Right Reserved