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■角交換振り飛車破りの決定版!地下鉄飛車徹底ガイド

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角交換振り飛車破りの決定版!地下鉄飛車徹底ガイド
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マイナビ将棋BOOKS
角交換振り飛車破りの決定版!
地下鉄飛車徹底ガイド
[総合評価]
B

難易度:★★★★

図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B+
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
上級〜有段向き

【著 者】 北島忠雄
【出版社】 マイナビ出版
発行:2020年5月 ISBN:978-4-8399-7289-9
定価:1,694円(10%税込) 224ページ/19cm


【本の内容】
第1章 居飛車穴熊絶対阻止の△8八角成型   76p
第2章 積極策▲3三角成型   32p
第3章 押さえておきたい10の作戦 第1節 △3二金型
第2節 △7二玉型
第3節 ノーガード戦法
第4節 後手穴熊
第5節 △3三角+穴熊
第6節 後手立石流
第7節 ダイレクト向かい飛車
第8節 △9五歩型
第9節 ゴキゲン中飛車からのダイレクト向かい飛車
第10節 △3三角戦法
80p
第4章 次の一手 次の一手=17問 36p

◆内容紹介
藤井猛九段が創案しプロの間で大流行、さらにアマチュア間でもいまだに猛威を振るっている角交換振り飛車。みなさんはどのように対策していますか?

銀冠や、手損を受け入れて居飛車穴熊に組み直している方が多いのではないでしょうか。しかし、それでは制約が多く、手詰まりになりやすいという弱点があります。

そこで、プロの間では「角交換振り飛車には地下鉄飛車で対抗」が常識となっています。玉の囲いは薄いものの、バランスが良く、積極的に動けるところが魅力の戦法です。そこで、本書では地下鉄飛車の分かりやすい攻め筋と本筋に重点を置き、定跡化させました。基本的なところから押さえているので、地下鉄飛車の事前知識が無い方でも安心して読める内容となっています。

角交換振り飛車に困っている方は必読の1冊です。


【レビュー】
対△角交換振り飛車の、▲地下鉄飛車作戦の戦術書。

角交換振り飛車に対して、オーソドックスに銀冠や居飛穴に組むのは有力ではあるが、駒組みに制約が多くて手詰まりになりやすい。千日手は後手の望むところだし、無理に仕掛けるのも後手が待ち受けるところで、動くのが難しい。

そこで、「地下鉄飛車作戦」が有力になる。先手陣も一段飛車でバランスが良い構えを作ることで、先手が自分から動いていくことができる。

本書で解説される地下鉄飛車の基本的な駒組みと狙いは、以下の通り。

・左金は▲7八金
・玉は▲6八玉(手詰まり模様では▲5八玉など移動も可)
・右辺は▲4七銀-▲3八金
・左辺は▲6六銀-▲7七桂が汎用性が高い。
・地下鉄飛車にして、8筋や7筋で歩や桂を交換すると、手が作りやすい。



各章の内容を、チャートを添えながら紹介していこう。



第1章は、「居飛車穴熊絶対阻止の△8八角成型」

・居飛車が▲6八玉の瞬間に後手から△8八角成と角交換し、▲8八同銀に限定させて、居飛穴に囲いにくくする作戦。
・先手は地下鉄飛車を目指すなら、▲7八金〜▲3八金と陣形のバランスを取り、▲2九飛と下段飛車に構える。
・一気に攻めつぶすというよりは、8筋や7筋で歩や桂を交換して、じっくり攻めるイメージになる。
・持久戦になれば地下鉄飛車側が指しやすいので、振り飛車側から急戦があり得る。バリエーションが多いので、対応をしっかり覚えよう。



第2章は、「積極策▲3三角成型」
・後手から△8八角成は手損なので、△3三角と上がって。先手からの角交換を誘ってくる作戦がある。
・先手は▲3三角成と誘いに乗り、第1章と同様に、金開きから地下鉄飛車を目指す。
・後手が持久戦を避け、4筋から仕掛けてくる順は警戒が必要。
・後手の仕掛けがイヤなら、▲4六歩保留の駒組みが有力。



第3章は、「押さえておきたい10の作戦」
・これまでの第1章〜第2章の作戦以外で、角交換振り飛車系の作戦への対応策を解説していく。
・基本的には先手はすべて地下鉄飛車を目指すが、後手の対応によっては地下鉄飛車が実現しない場合もある。


第1節は、「△3二金型」
・△3二金型は、後手が飛を4筋のままに置いて▲4六歩を牽制するために、左金で2筋に備えている。



第2節は、「△7二玉型」
・△7二玉型は、後手が玉型を美濃囲いにせずに△6三銀-△6二金を基本とし、風車ライクな柔軟性のある陣形を目指している。



第3節は、「ノーガード戦法」
・ノーガード戦法は、角交換できるうちは、後手が2筋を徹底して受けない作戦。



第4節は、「後手穴熊」
・角交換振り飛車穴熊(通称「レグスペ」)は、堅さ重視の作戦。
・ただし後手が何もしないと、地下鉄飛車の格好のマトになるので、どこかで△5四歩と勝負してくる展開になる。



第5節は、「△3三角+穴熊」
・後手が手損せずに、先手から角交換させて穴熊を目指す作戦。
・ただし、角交換後に△3三桂型になるので、後手は飛をしばらく2筋に置いておく必要がある。



第6節は、「後手立石流」
・角道オープン四間飛車の派生で、△立石流がある。
・地下鉄飛車を目指した▲7八金型の場合は、▲7七玉〜▲8八玉と深く囲いたい。



第7節は、「ダイレクト向かい飛車」
・△ダイレクト向かい飛車に対しては、逆棒銀の急戦が気になるので、▲2五歩を保留して駒組みを進めたい。



第8節は、「△9五歩型」
・△9五歩型は、後手が9筋の位を取ってからダイレクト向かい飛車にする作戦。
・先手は片銀冠から端に反発して「ダイレクト地下鉄飛車」を狙うのがオススメ。
・後手が端を強化して銀冠にするなら、臨機応変に8筋を狙おう。



第9節は、「ゴキゲン中飛車からのダイレクト向かい飛車」
・出だしは▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩と△ゴキゲン中飛車模様で、後手から角交換してダイレクト向かい飛車にする作戦。
・4手目に△5四歩を突いているので、「▲6五角問題」がない。
・先手は基本通りの地下鉄飛車で持久戦にすれば、作戦勝ちが望めそう。
・△2五歩への対応をマスターしよう。



第10節は、「△3三角戦法」
・4手目△3三角戦法で、角交換から向かい飛車にする作戦。
・後手が最小限の駒組みから△5四銀型にすると、先手が地下鉄飛車にする前に△6四角から手を作られてしまう。
・そこで、先手は▲6六銀〜▲5五銀と出て、△5四銀を牽制しておきたい。
・なお、角交換後に▲7八金としておけば、ダイレクト向かい飛車をそのものを阻止することができる。(△2二飛に▲6五角と打ったとき、△4五桂が利かなくなるため)



【総評】
本書の解説では、大半の変化が「一局の将棋」と結論付けられているので、本戦法をもって「角交換振り飛車を殲滅」という訳ではないが、ジックリとした駒組みでバランスを取りつつ、主導権を握りたい人にはオススメの作戦だろう。

また、おおむね同じ考え方で戦えるので、「角交換振り飛車に対してどう戦えばいいか分からない」という人にも、試す価値がありそうだ。

全体的に棋譜や本文の読みやすさは特に問題ないが、「ここでこの図面が欲しいなぁ」という局面と、実際に載っている図面がときどきズレている印象があったので、頭の中だけで読み進めるのは少し大変かもしれない。盤駒か棋譜並べのできるソフトを使って、並べながら読むのを推奨。

なお、本作戦の変化は多く、同一局面になることは少ないと思う。暗記するというよりは、指しこなし方や考え方を修得するのに役立ててほしい一冊。

(2020Jul04)


※誤字・誤植等(初版第1刷・電子版ver1.00にて確認):
p118上段 ×「後手の△2二飛で…」 ○「後手の△2一飛で…」
p166上段 ×「▲2四角成以外に△2二角成も…」 ○「▲2四角成以外に▲2二角成も…」



【関連書籍】

[ジャンル] 角交換振り飛車
[シリーズ] マイナビ将棋BOOKS
[著者] 北島忠雄
[発行年] 2020年

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