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■指して刺す

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指して刺す
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バンブー・コミックス
指して刺す
最後の裏棋師伝
[総合評価] D

絵:B
ストーリー:C
構成:B
キャラ:B

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【著者】 神田たけ志 【原作】 来賀友志 【協力】 先崎学
【出版社】 竹書房
発行:1996年3月 ISBN:4-8124-5039-X
定価:563円 260ページ/19cm


【本の内容】
◆内容紹介
スナック「一歩」に突如現れた黒坂昇は、あの真剣師・黒坂信男の息子だった。昇はプロ棋士や奨励会三段らを次々と連破し、プロ側は「黒坂信男の再来」を恐れ始めた。そこに竜王・仲田が立ちはだかる。昇が戦う理由は…。

◆登場人物紹介:
黒坂 昇
(くろさか しょう)
主人公。スナック「一歩」で山科五段を粉砕し、奨励会三段にも十面指しで圧勝して周囲に実力を認めさせる。
仲田との対決では対局中に意味ありげに黒い革手袋をはめて周囲を騒然とさせたが、特に意味はなかったようだ。
仲田に公式戦で再挑戦するため、アマ竜王戦から勝ち上がっていく。
山科五段 C級1組在籍のプロ棋士。行きつけのスナック「一歩」で学生チャンピオンを一蹴したあと、たまたま訪れた昇に勝負を挑まれ、しかも挑発されて右図からスタートするも惨敗。ていうか、さすがにそれはないでしょ(笑)。
明らかに斬られ役と思われたが、意外にも物語終盤までフル出場。しかし勝利シーンは一度も描いてもらえず。
黒坂信男 昇の父。元真剣師で、プロにも勝利。素行が悪く、プロ・アマ双方から事実上追放され、昇母子もすてて姿をくらます。死んだはずだったが…
京子 キャバレーのホステス。いきなり昇に居候される。胡にも居候される。
柳田 元・一流の真剣師。現在は将棋クラブの席主。
小宮竜蔵 元プロ棋士・九段。昇の育ての親。通称「じっちゃん」。一見温厚そうだが、晩年に不遇の扱いを受けたことで、将棋界を恨んでいた。将棋を渋る昇に「俺の無念をすすいでくれ」と頼むが、昇はまったく別の理由でプロに挑む。じっちゃんの立場は…。
仲田 竜王。昇に公式勝負を挑まれてあっさり受諾。大らかで自信家・・・というよりは思慮不足かもしれない。昇の実力を認め、彼が竜王戦を勝ち上がってくるのを待っている。
胡 春橋
(こ しゅんきょう)
昇の友人。元中国象棋チャンピオン。昇が中国修行時代に知り合い、日本将棋を仕込まれる。出演コマの約半分がコピペ(笑)。
羽尾 五冠王。どうみても羽生がモデル。
マスター 将棋スナック(?)「一歩」のマスター。なんだかんだで昇の後見人みたいな存在。


【レビュー】
真剣師の青年を描いた将棋劇画。
(以下ネタバレの内容を含みます。反転してご覧ください。)

絵はそこそこ上手い。が、よく見ると使い回しがかなり多い。

青年真剣師がプロを倒していくという設定はそんなに悪くないと思うが、肝心のキャラやエピソードがペラペラでかなり安っぽく感じる。主人公の性格が不定だったり、一山ありそうな対決が一瞬で決着したり…。読者を悪い意味で裏切っている。

中途半端に将棋の内容に踏み込んでいるのもマイナス。故・花村元司の棋譜が使われているなど、内容そのものは本格的だが、途中図から棋譜を羅列するだけなので、一般人にも将棋ファンにも満足できなくなっている。解説をもっとディープにするか、思い切って心理描写のみにとどめたほうが良かった。

それでも前半の仲田竜王との対決あたりまでは、次の展開を楽しみに読めたのだが、途中から人気が落ちたのか(最初からイマイチ?)ストーリーが駆け足に。最後は仲田との再対決ができないまま、打ち切りになっている。

本書は通算3回読んだのだが、実はいつも仲田戦の後あたりでとまってしまい、しばらく経ってまた最初から読み直すというパターン。どうやらその辺に「萎えポイント」があったかも?
(2006Aug06)

○一般人にとって……こんなに強いのになんでプロじゃないの?
○将棋ファンにとって……チープ版「月下の棋士」?



【関連書籍】

[ジャンル] 
将棋コミック
[シリーズ] 
[著者] 神田たけ志 来賀友志 
先崎学
[発行年] 
1996年

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