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■将棋必修・詰将棋200題

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将棋必修・詰将棋200題
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別表紙1
別表紙2
将棋シリーズ
将棋必修・詰将棋200題
寄せ合いに強くなる
[総合評価] B

難易度:★★☆
   〜★★★★

見開き2問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:B
解説:C
上級〜有段向き

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【著 者】 松田茂役
【出版社】 梧桐書院
発行:1966年9月 ISBN:4-340-07103-X
定価:680円 216ページ/18cm


【本の内容】
・詰将棋=計200問(3手〜21手)

・〔巻頭付録〕将棋心得十六章
第一編 三手詰──七手詰
第二編 九手詰──十三手詰
第三編 十五手詰──二十一手詰

◆内容紹介(はしがきより抜粋)
詰め将棋とは「連続王手で、玉を詰ます」もの。もっとも、俗手で詰んでは興味がありません。詰め将棋というからには、捨て駒などの妙手が望まれます。盲点を一つ一つ打破して、正解手順をうるわけです。
苦心さんたん、解きおわったあとの気持ちは爽快でしょう。いますぐわからないからといって、解答を見てはいけません。後日、あらためて考えること。日と時間をかければ、案外すらすらといくものなのです。あきらめることなく、正面からとりくんでください。


【レビュー】
詰将棋問題集。3手詰から21手詰までの200問を収録。

本書は1966年が初版で、わたしが持っているものは1983年の第70版(!)である。同時代には他にも詰将棋本はあったはずだが、これだけ再版を重ねているのはすごい。

詰将棋の内容は、非常にバラエティに富んでいる。大半は実戦形で、かつ実戦的な詰め手筋なのであるが、稀に打歩詰め回避で攻め方・玉方ともに大駒の不成が飛び出すような、トリッキーなものもある。

手数は、冒頭に記したように3手〜21手であるが、ボリュームゾーンは〔右図〕に示すように9手〜13手あたり。手数の少ない順に並んでいる。3手・5手がちょうどいい人は、序盤でくじける可能性が高いので、要注意。少なくとも、「7手詰はだいたい解ける」「9手〜11手も解けたことがある」くらいの人にはちょうど良い。

難易度は、比較的平易なものが多いが、どこから手を付けて良いか分からないようなものもある。おおむね置き駒は10枚以内で、5x5くらいに収まっており、持ち駒は4枚以内なので、「やってみようか」という気になりやすい。

また、ヒントは1行だけ記されているが、ヒントを見ることでかなり難易度が下がる。難度の高いものには「初手は○○」とまで書かれていたりするので、興を削がれたくない人はヒントを隠そう。

代表的なものを2問紹介しておこう。
第54問(九手詰)
ヒント:飛車を相手にするな。
第113問(十三手詰)
ヒント:玉は△5一または△3一で詰む。




はしがきには「わからないからといって、解答を見てはいけません」と書かれているが、個人的には自分で納得いくまで考えたら、解答を見ることを推奨する。

本書の詰将棋は、多少手数が長くても、馬や金銀、成駒などで寄せていく分だけ手数が伸びていることが多く、実戦的な傾向が高い。また、途中で駒を取る手は「あって当然」と思ったほうが良く、初手から駒を取る順すら考慮に入れる必要がある。

「詰将棋は駒を捨てるもの」というった、妙手率の高い3手〜7手に慣れた人には、そういった実戦的な手順が逆に盲点になっている可能性が高い。盲点になっている手は、うんうん考えるよりも、体験してしまったほうが良いかと思う。本書の200問を「体験」すれば、実戦的な詰め力はかなり付くだろう。

ただし、解説は非常にしょぼく、ほとんどないに等しい。変化や不詰めの筋は自力で考えなければならないので、自分の考えていた筋が正解手順と違う場合は、なぜ違うのかをがんばって考えよう。また、解説図は詰め上がり図ではなく、途中の「眼目の一手」を図示していることが多いので、途中図から詰め上がりまで頭の中で動かす練習もしてみよう。


9手以上の世界にすでに入門している人にはそこそこオススメ。

※誤字・誤植等(第70版で確認):
p80 ×「△同飛と取られて」 ○「△同金と取られて」
p81 ×「飛車を取らぬこと」 ○「飛車を取られぬこと」or「飛車を取らせぬこと」
p94 ×「▲3三銀成 △王」 ○「▲3三銀成 △同王」
p190上段 ×「王方に合詰を許さない」 ○「王方に合駒を許さない」



【関連書籍】

[ジャンル] 
詰将棋
[シリーズ] 
[著者] 
松田茂役
[発行年] 
1966年

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