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■将棋駒の世界

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将棋駒の世界
zoom
中公新書 1869
カラー版
将棋駒の世界
[総合評価] A

難易度:-

図面:なし(写真と文章)
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
将棋ファン全般向き

【著 者】 増山雅人
【出版社】 中央公論新社
発行:2006年10月 ISBN:4-12-101869-9
定価:1,029円(5%税込) 192ページ/18cm


【本の内容】
第1章 駒の基礎知識
―基礎知識を学んで、
駒の魅力にふれる
子供のころに遊んだ駒/並彫り・中彫り・上彫り
/日本将棋の起源と駒の出現/中将棋/駒の製法四種
/自由な駒銘の入れ方/基本的な駒の作り方/実戦!駒の作り方
/駒木地となる黄楊/黄楊の駒木地の種類/駒に使われる漆
/駒の漆あれこれ/駒の魅力とは
26p
第2章 バラエティーに富んだ書体
―駒に彩を添える
駒字考察─「玉将」から「と金」まで
/駒に使われる書体と駒銘の成り立ち
●駒の書体ライブラリー ─代表的な十五書体を鑑賞する
 (1)錦旗 (2)巻菱湖 (3)水無瀬 (4)源兵衛清安 (5)宗歩好
 (6)金龍 (7)清定 (8)長録 (9)鵞堂 (10)董仙(董齊)(11)無劍
 (12)淇洲 (13)関根名人書 (14)阪田好 (15) 木村名人書
 /その他の書体
新書体は今も生まれ続けている/名工たちの書体の比較考察/
作者の違いでさまざまな表情を見せる玉将
66p
第3章 名工たちの軌跡
―「五人の名工」を中心に
時代の潮流─名工の出現へ/黎明期の駒
/おもな駒師の出現と活動時期
●名工作品ライブラリー
 (1)豊島龍山 (2)奥野一香 (3)木村文俊 (4)宮松影水 (5)金井静山
昔も今も技は受け継がれている/将棋の町・天童の駒師たち/
将棋駒研究会で活動中の駒師たち
38p
第4章 使われてこそ名駒
―傷ついても、
いやます魅力
●名人駒二景
 (1)関東の名人駒「宗歩好」 (2)関西の名人駒「菱湖」
●公式戦使用駒
 プロ棋士が対局で使う駒/奨励会使用駒
●旅館・料亭
 (1)鶴巻温泉・陣屋 (2)東京・福田家 (3)大阪・芝苑
 (4)天童市・滝の湯ホテル
●棋士愛用駒
 (1)升田幸三 (2)大山康晴 (3)米長邦雄 (4)中原誠
 (5)森内俊之 (6)羽生善治
●作者・書体不詳
 駒銘不詳(なし)の駒
32p
第5章 将棋用具とのつきあい方
―いい駒・いい道具に
めぐり合うために
いろいろな材質で作られた駒/黄楊以外で駒になる木材
/盤・駒台・駒箱/盤・駒台・駒箱のさまざま
/将棋用具の手入れ(駒と盤)/いい駒にめぐり合うために
13p

◆内容紹介
インターネットを介したオンライン将棋が盛んだ。しかし、盤駒を使う将棋の魅力が減じたわけではない。木の宝石といわれる黄楊に、美しい漆で文字をあしらった将棋駒は、遊具を超えた工芸品としての魅力をもっている。材質や書体をはじめ、鑑賞やコレクションに必要な知識を美しい写真とともに紹介。


【レビュー】
将棋駒の解説書。「NHK将棋講座」に連載されたものをベースに再構成し、新たに書き下ろされたもの。

このページをご覧のみなさんは、将棋を指すのはネットが多いだろうか。中にはネットオンリーの方もいるだろうが、「できれば木の盤駒でピシッと指したい」と思う人はかなり多いと思う。わたしも実戦・棋譜並べともPCを使うことが多いのだが、練習会や公式戦でリアルの木の駒で指すのはやっぱりいいものだと思う(プラ駒・ペラ盤の職○戦は正直好きではない…あの「ペチっ」という音と感触が…)。

とはいえ、多くの人は駒の書体とか作者とかをあまりじっくり気にしたことはないだろう。ただ、「昨日道場で使ったあの駒は良かったな」とか、「今日のタイトル戦で使ってた駒は好みだな」とか、そのくらいの感想は持っているはずである。

本書では、そういう駒の世界を入門レベルの基本からマニアックな部分まで写真入りで詳しく解説。一通り読めば、今まで「将棋の道具」でしかなかった駒を知り、魅力をしっかりと認識できる。構成は、見開き2頁のカラーページ(おもに写真)と同2ページのモノクロページ(おもに解説)が交互。カラー印刷部はすべてフルカラーで、ややマット調(つや消し)の美麗な印刷。駒の質感や輝きまではどうしても表現しきれていないが、美しい駒への憧れを感じるには十分である。

筆者の増山氏は、本業は棋書編集者だが、もうひとつの顔は「酔棋(すいき)」の号で知られるアマチュア駒師。アマ・プロといっても指し将棋の世界とは少し違っていて、駒の世界では納期やコストに縛られないアマの方がいい作品を作ることもあるのである。本書でも「酔棋作」の駒がいくつか載っていて、写真で見る限りは名工の作品と肩を並べる出来栄えだ。

プラ駒なら1000円以下で買える。しかしそれではちょっと寂しい。ちょっといい駒となれば、比較的安価な彫り駒でも庶民のお小遣いで買うには高いかもしれないが、手を伸ばせば届きそうなところでもある。「いつか」を想いながら、本書を読みふけるのもいいだろう。

最後にわたしの駒の好みを(笑)。本書に載っている中では、
 ・自分で使いたいのは「関根名人書」「董仙」
 ・プレゼントでもらいたいorあげたいのは「阪田好」

がお気に入りです。(2006Dec16)

※といいつつ、わたしは今のところマグネット盤しか持ってません、ごめんなさいm(_ _)m
※酔棋氏のHP「
駒の詩」は本書の内容の大部分を含んでいるようです。というか、本書よりもずっと詳しい(笑)。上に挙げた書体はこちらでどうぞ。



【関連書籍】

[ジャンル] 
その他の本
[シリーズ] 
[著者] 
増山雅人
[発行年] 
2006年

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