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感動のあの一手 |
File No.001 |
衝撃の33銀! |
私の実戦譜から。 私が居飛車側です。(便宜上先後逆)四間穴熊vs鷺宮急戦からの変化で、左図となりました。 △の龍の位置は悪いが、桂得しており、穴熊の金も離れ駒になっていることから、△優勢と見ていました。 左図から、▲61飛と打ってきました。駒損の回復を狙い、かつ△より早い寄せを狙った手で、他に有望な手も見あたりません。 |
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▲61飛に対して、△51桂と受け、以下▲81飛成△79龍▲59歩△56歩の進行が予想されますが、簡単ではなさそうです。 私はここで、完封を目指して△72龍と引きました。この一手で、▲の飛車は死んだかに見えます。 飛車の心中相手が桂馬では、指しても勝ち目はありません。私は勝利を確信し、相手は長考に沈みました。 しかし、探せば手はあるもの。私は次の一手に長考を余儀なくされました。 |
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次の一手は、▲33銀でした。 この形の囲いを崩すのに、33へ打ち込む手が急所であるのを知ったのは、この対局後のことでしたが、この飛車取りのかかった局面でこのような手が出るとは・・・ ちなみに、飛車取りがかかってなくて、持駒が角銀香なら▲33香で早い寄せがあります。この囲いの基本的な崩し方を見る! この手ですべてが終わったわけではありません。実戦では△同桂と取って早くなりましたが、△同金なら難しかったと思います。ただし、飛車を取りに行った手がムダとなれば、ショックが大きく、短い時間内で立て直すことも困難でしょう。 同じ▲33銀を打たれるとしても、△72龍に換えて△79龍としていれば、△の速い攻めも期待できました。 しかし、敗戦後は、負けてもさわやかでした。この▲33銀のおかげで、歩1枚は強くなった気がしたからです。 焦点に打つ駒というのは、攻める側も受ける側もなかなか気づかないものです。しかし、このようにやられてからは、常に33の地点に目がいくようになりました。 素晴らしい手を教えてくれたMarMarさんに感謝いたします。あ、やっと対局者の名前が明らかに(^^; |
「負けて覚える将棋かな」 |
居飛車急戦vs振飛車の戦いでよく現れる局面。後手の囲いは、船囲いから少し発展した形で、57銀左戦法や鷺宮定跡で多く見られる。(不要な駒は省略してある) さて、この局面で振飛車側に光速の寄せがある。高段者には常識の手だと思う。しかし、振飛車党にとってこの手を知っているかどうかは大きな違いである。 次の一手はなんだろうか。▲26香や▲22香は手筋だが、この局面では△51香でかえって堅くなってしまいそうだ。 |
▲33香! 実戦で打てると気持ちよすぎの▲33香。なお、45桂がいるなら33桂成でもいいし、銀が2枚あるなら33銀でいい。 @△33同金→▲41銀△42玉(△22玉でも▲52銀成)▲52銀成△同玉▲41角。 A△33同玉→▲31龍or21龍で受けにくい。 B△33同桂→▲21銀△22玉▲31角△21玉▲42角成 以下簡単。 C△22玉→▲31龍であとは一手一手。 この焦点の香は、振飛車党としてはぜひ覚えたい一手です。(将来「寄せの構造」コーナーに掲載予定) |
参考文献: |
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