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■情熱大陸×羽生善治・渡辺明・佐藤康光・谷川浩司

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情熱大陸ラ羽生善治・渡辺明・佐藤康光・谷川浩司
zoom
情熱大陸
×羽生善治・渡辺明・佐藤康光・谷川浩司
[総合評価] B

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【著 者】 
【出版社】 ジェネオン・エンターテイメント
発行:2009年3月 ISBN:
定価:4,935円(5%税込) 91min.


【本の内容】
◆内容紹介
様々な分野で活躍する人たちに密着取材、紹介していくドキュメンタリー番組“情熱大陸”DVDシリーズ 第二弾発売 !!
羽生善治、渡辺明、佐藤康光、谷川浩司、現代を代表する棋士達を、最新インタビュー、オフショットなど貴重な特典映像も合わせて収録!

【映像特典】
オフショット、インタビューなどの最新撮り下ろし映像(約30分)を収録予定
←少なくともレンタル版には入っていませんでした。

※この本編映像には著作権上の理由により、放送時とは一部音楽、映像の差し替えがございます。


【レビュー】
TBS系列放送「情熱大陸」のうち、棋士4人分をDVD化したもの。

「情熱大陸」は毎日放送(MBS)制作の人間密着ドキュメンタリー番組。このDVDでは、羽生・渡辺、佐藤康、谷川といったトップ棋士4人へ密着した3回分をまとめている。

それぞれの回は完全に独立しているので、個別に内容を見ながら紹介していこう。以下、[グレー]はわたしがメモした番組の内容、[緑色]はわたしの注釈・感想である。

●【羽生善治 渡辺明 Vol.531_2008】
2008.12.28放送。数少ない1時間拡大版の「情熱大陸extra」の一つ(ただしDVDでは40:11)。互いに永世竜王が懸かった第21期竜王戦の第1局から第7局まで密着取材したもの。

Chapter 1
 第21期竜王戦、決着
 オープニング
 第1局(パリ)
  パリ観光、競馬場
  事前の個別インタビュー
  対局室への入室直前
  対局直前の表情
  投了 
(記録係・中村太地四段と梅田望夫氏も映っている)
  渡辺の宿泊室へ突撃取材 
(敗局直後の感想)
Chapter 2
 羽生の王座戦就位式
 羽生の強さについて(森内、谷川、佐藤康)+羽生の略歴
 渡辺の将棋スタイルについて(深浦、山ア)+渡辺の略歴
 第2局(洞爺湖)
  バスから降りる渡辺と羽生
  棋譜の読み方
  おやつ 
(渡辺がほんの一瞬テレビカメラをチラ見していた!)
  封じ手、封じ手開封
  投了 
(渡辺の小さなため息が漏れる)
  羽生の宿泊室へ突撃取材 
(自室に入る直前に声を掛けられ「ふぁ!!?」と驚く羽生)
Chapter 3
 渡辺家訪問
  駒台を両手に持って笑顔で階段を登る柊くん 
(カワイイ…)
  明vs柊(十九枚落ち) 
(膝を抱えて壁にもたれるめぐみ夫人)
 第3局
  渡辺が家を出た直後に徒歩インタビュー
  羽生に新幹線内でインタビュー 
(渡辺・羽生ともに「対局の朝に家族から声を掛けられるか?」という質問)
  対局、投了
  羽生に廊下を歩きながらインタビュー
  その日に帰った渡辺を駅のホームで追っかけ取材 
(25:40〜。「対局者が負けたその日に帰るのは滅多にない」と言っているが、ときどきあると思う。ホームで本を読んでいた渡辺が取材班とカメラに気づき、本をこっそり隠すシーンは必見!? めぐみ夫人の「妻の小言。」によれば、「こち亀」を読んでいたらしい(笑) カメラがぶれているので、残念ながら画面では確認できず。)
 第4局
  渡辺にタクシー内でインタビュー
  羽生の入室前
  対局開始
Chapter 4
  2日目、羽生永世七冠に備えた報道陣と大盤解説場
  “打歩詰め” 
(25:40〜。渡辺が「羽生さんがすぐに▲3七同桂と指していたら投了も考えた。ゆっくりと水を飲んだので打歩詰めの筋に気づいた」というシーン)
  投了、感想戦
  自室に戻る羽生に突撃取材 
(…しようとしたが、声を掛けられなかったようだ)
  渡辺の自室へ突撃インタビュー 
(渡辺いわく、「報道陣がみんな背中に回られたのはキツイなぁ〜」。渡辺が勝った表情より、羽生が永世七冠を逃した表情を撮ろうとしていたため。)
 (第5局は割愛)
 第6局
  「うるさかった」と評判?の池の鴨
  対局中も鴨の声が聞こえる
  昼食休憩インタビュー 
(「鴨の鳴き声は気になるか?」)
  新橋駅広場での野外大盤解説会(大内延介)
Chapter 5
 第7局
  バスから旅館への二人
  入室
  2日目終盤戦
  投了 
(なにか気まずそうにソロソロと入室する報道陣…)
  渡辺の公開インタビュー
  渡辺の自室へ突撃インタビュー
 第7局の3日後に羽生の単独インタビュー 
(撮影スタジオ?に座らされる羽生…なんか不自然)
  「竜王戦で負けた理由は?」 
(羽生いわく、「終盤で何が問題だったのか分からない」)
  「なぜ渡辺が勝ったのか?」 
(羽生いわく、「渡辺さんに聞いてください(笑)」 そりゃそうだ…)

●【佐藤康光 Vol.478_2007】
2007.12.16放送。24:36。佐藤が渡辺に挑戦した第20期竜王戦を密着取材したもの。佐藤の「読みを妥協しない将棋」がテーマとなっている。

Chapter 1
 佐藤インタビュー
 佐藤将棋の変容について (このころ、佐藤はプロもすぐには真似しないような驚愕の構想を次々と打ち出していた)
 佐藤将棋の印象(谷川、中原)
 バイオリン
 DSで佐藤の脳年齢を測定 (41歳と出た。当時佐藤は39歳)
 第20期竜王戦第1局
 佐藤の自宅訪問
  ひろこ夫人特製の栄養ドリンク (バナナ、ヨーグルト、黒ごま、蜂蜜、牛乳をミキサーで)
  朝ごはん
  佐藤の本棚 (実戦集の割合が高いが、将棋漫画やMYCOMの定跡書もあった。/『3手詰ハンドブック(2)』も!なぜか(1)はなし。/『羽生の法則』、『谷川浩司の本筋を見極める』、『ホントに勝てる○○』、『上達するヒント』もあった!初級者向けなんですけど。発行された棋書をすべて買い集めてるようでもないので、不思議。/『米長の将棋』はオリジナル版6巻を揃えているのに、なぜか文庫版も全巻揃っていた。文庫版に加筆があるわけではないし、オリジナル版がボロボロになっているようでもないし…で、これも謎。/成美堂出版の詰将棋本がたくさん。/谷川の実戦モノだけは別枠に入れてあった。/『大山康晴全集』は当然ある。)
 新聞の将棋欄切抜き 
(そういえば将棋欄のために七紙取っているとか…)
 「奥さんに買ってもらったものは?」 
(佐藤「ペン入れくらいかな」 夫人「セーター買ってあげましたよ」と同時に…。将棋のこと以外は無頓着なんですねぇ。夫婦仲にはご注意ください。)
 ゴルフ
 竜王戦第2局
  佐藤の激しい咳き込み
  男子トイレと女子トイレを毎回間違える 
(一般視聴者はどうおもったんでしょう…)
  自室へ突撃インタビュー 
(咳き込みについて)
 佐藤略歴
 「棋士の読み」に関する学術的研究
 竜王戦第5局 
(自玉の端から攻めたからといって「第1局と同じ戦法だった」というナレーションは、ちょっと違うのでは…)
Chapter 2
 咳き込み
 「この程度でいいかなという思想は持ちたくない。」 
(康光カッコいい!)
Chapter 3
 子どもフェスティバル 
(熱い指導を行う佐藤…子どもはついてこれてないかも?)
 竜王戦第6局
 路上で歩きながらインタビュー


●【谷川浩司 Vol.265_2003】
2003.08.03放送。24:23。谷川が羽生を迎え撃った2003年の第44期王位戦第1局までを取材したもの。ちなみにこの年の谷川は充実していて、4-1で防衛を果たした。

Chapter 1
 投了「負けました」
 森内vs羽生の名人戦(熱海)を観戦に訪れた谷川
 羽生七冠達成について
 谷川の実家訪問
  駒についた無数の歯型 
(「谷川が兄に将棋に負けると悔しくて駒を噛んだ」という有名なエピソード)
 「谷川から将棋を取ったら?」
 関西将棋会館の特別対局室
 谷川の自宅訪問
  エアロバイクで体力トレーニング 
(谷川は本物の自転車には乗れない)
  恵子夫人
  研究用マンションでの研究会(山ア、畠山)
 阪神戦を観戦
  藪投手の谷川評
  破顔一笑ではしゃぐ谷川 
(必見!! こんな顔もするんだ…)
 東京遠征
  谷川vs佐藤康
  破れてタクシーで帰る谷川
 王位戦第1局
  自宅から妻に見送られる谷川
  前夜祭
  谷川の羽生評、羽生の谷川評
Chapter 2
  1日目の朝(自室インタビュー)
  対局開始 
(羽生の寝癖に注目)
  ▲7六歩△3四歩▲6六歩△3三角 
(現在では珍しくない出だしだが、当時は「定型将棋への挑戦」という雰囲気)
  立会人・五十嵐豊一 
(故人、2008.09.01に逝去)
  おやつを運ぶ女将
  1日目夕方、谷川の自室にて
  2日目おやつ
  大盤解説
Chapter 3
  終盤戦
  羽生投了
  感想戦
  2日目夜、谷川の自室にて



●【総評】
いずれも当時タイトル戦を戦っていた棋士への密着取材となっている。取材から放送までが比較的短時間になるためか、番組全体の構成やストーリーはやや不完全燃焼気味で、雑多な内容の羅列や尻切れトンボな感じは否めない。将棋ファン(というかプロ将棋ウォッチャー)なら背後の情報も脳内補完できそうだが、一般の方が見たときに面白いのかどうかはよく分からない。(私の妻いわく、「「情熱大陸」はいつもそんな感じだよ」だそうな…)

一方、ぶら下がり取材や自室突撃取材など、将棋メディアではまず踏み込めないような取材をしており(棋士にとっては多少迷惑なのかもしれないが)、その映像は我々将棋ファンには貴重。

 (例)
 ・対局当日の朝or終局後に自室へ突撃取材
 ・自宅訪問 (棋士の奥さんが見られる! ※ただし羽生の自宅訪問はなし)
 
将棋ファンなら一見の価値はあると思う。レンタルビデオ店でも借りられます(わたしはTSUTAYAで借りました)。


【他の方のレビュー】(外部リンク)
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー




【関連書籍】

[ジャンル] 
将棋関連のDVD
[シリーズ] 
[著者] 
[発行年] 
2009年

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