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新・駒落革命 | [総合評価] B 難易度:★★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)S レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 有段者向き |
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【著 者】 真部一男 【編】 榊秋介 | ||||
【出版社】 木本書店 | ||||
発行:1994年1月 | ISBN:4-905689-48-1 | |||
定価:3,800円 | 378ページ/22cm/H.C. |
【本の内容】 | |||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
一応、駒落ち定跡書。といっても、従来のものとは全く違う。二枚落ち銀多伝や飛落ち右四間飛車などは一切解説がない。「従来定跡にとらわれない、新指方の紹介」である。「将棋大観」からさほど変化のなかった駒落ち定跡に、新しい風を吹き込んだ一冊。 以下の記述に、本書のスタンスが集約されていると思う。 「上手の陣形は、いわゆる二枚落ちの理想形と呼ばれるもので、さしずめ『指導対局』なら、この辺で上手は感想戦の準備をしており、勝った後“上手に△4四歩−△4三銀の陣形を許してはいけない。とにもかくにも下手は▲4五歩と位を張るべきである”と指導するだろう。ところがどっこい、基本B図は下手も理想形である。」(13pより) つまり、こういうことだ。「駒落ちにしか通用しない形(二枚落ちならば、開始早々4五の位を取るなど)を覚えるよりも、自分のスタイルで戦っても良い。相手の理想形を許さないのはじゅうぶん一理あるが、相手以上の理想形が築けるのならばそれで十分戦えるのだ。従来の知識を参考にしつつも打破し、どんどん進化させていこうではないか」と。この考え方にはわたしも賛成する。 ただし、プロが新しく考え出した新指方なので、非常に難解である。プロだからこそできる指し回しが多い。わたしは二枚落ち編しか読んでいないが、これでプロに勝てる気はしなかった(銀多伝でも簡単には勝たせてもらえないことは重々承知している)。また、1ページで20手以上指し手が進むので、ついていくのが大変だった。 本書は、プロに飛落ちや角落ちで戦えるような高段者なら参考になると思う。二枚落ち銀多伝でヒィヒィ言ってるような人(わたしのことだが!)が無理に読む必要はない。 なお、復習の「次の一手100問」は少々易しめになっているので、解説編が難しすぎる人は問題だけ挑戦してみると良い。どこのページを参照すればいいのか、分からないのが難点だが…(2003May11) |