序章 |
四間飛車の基本形 |
基本図までの駒組み |
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第1章 |
急戦編 |
斜め棒銀/後手6五歩早仕掛け/棒銀/後手4二金上型急戦 |
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第2章 |
居飛車穴熊編 |
対居飛車穴熊の性質/居飛穴退治編/後手3一金型穴熊/角交換型穴熊/永世竜王との一戦 |
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第3章 |
その他の対策 |
天守閣美濃/5筋位取り/玉頭位取り |
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◆内容紹介
棋界屈指のノーマル四間飛車の使い手である、井出隼平四段による戦術書です。
ノーマル四間飛車といえば将棋界の巨人・大山康晴十五世名人の得意戦法。昔も今もアマチュアでは最も人気のある戦法といって間違いありません。
しかし、阿部健治郎七段による『四間飛車激減の理由』(2012)が物語るとおり、居飛車穴熊の出現によってノーマル四間飛車はプロでは滅亡の危機に陥りました。
現在もノーマル四間飛車にとって居飛車穴熊が天敵であることに変わりはありませんが、藤井システムや振り飛車穴熊が見直されたことで、ノーマル四間飛車はにわかに盛り返しつつあります。この辺りの事情は『振り飛車はどこに行くのか?』(門倉啓太,2018)、『【増補改訂版】
将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編』(上野裕和,2018)をご参照ください。
そんな中、あくまでもごく普通の美濃囲いで居飛車穴熊と渡り合う戦士が将棋界には何人か存在します。
その急先鋒が本書の著者、井出隼平四段です。
平成29年9月21日、第59期王位戦予選で居飛車穴熊の完成者である渡辺明竜王(当時)にノーマル四間飛車で勝ち、将棋界に大きなインパクトを与えました。そして世のノーマル四間飛車党に勇気と元気を与えました。
本書も当然のように全編通して四間飛車+美濃囲いです。居飛車穴熊には美濃囲いを発展させた銀冠で対抗します。そして、居飛車穴熊を強敵として認めながらも四間飛車の勝ち筋を探し続ける求道者の姿がそこにはあります。
ノーマル四間飛車を諦めない。
本書が発するのはその強いメッセージです。
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