第1章 |
塚田スペシャル1 |
第1節 基本図まで
第2節 基本図から△6三銀
第3節 基本図から△8二飛
第4節 塚田スペシャル1バリエーション
第5節 持久戦型 |
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第2章 |
塚田スペシャル2 ▲5八玉型 |
第1節 基本図から△8二飛
第2節 基本図から△6三銀
第3節 ▲7六歩に△6三銀=持久戦型 |
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第3章 |
塚田スペシャル3×中原囲い |
第1節 ▲2四同飛に△8二飛
第2節 バリエーション編
第3節 持久戦編 |
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第4章 |
塚田スペシャル4 ▲2八飛型 |
第1節 基本図から▲3六歩の変化
第2節 基本図から▲2八飛の変化
第3節 基本図までに派生した変化 |
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第5章 |
塚田スペシャル5 ▲3六歩型 |
第1節 基本図から△8六歩の変化
第2節 穏やかな△6三銀 |
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・【コラム】電王戦〜あの日のことを思い出す〜
◆内容紹介
今から20年前、一人の若手棋士が公式戦22連勝という前人未到の記録を打ち立て将棋界は大いに沸いた。
その記録を成し遂げたのが塚田泰明六段(当時)であり、その原動力となった相掛かりの戦法は「塚田スペシャル」と呼ばれ恐れられた。
しかし戦法に対する研究も進み、徐々に以前のような輝きは失われてしまう。そしていつしか「塚田スペシャル」は消えた戦法の一つに数えられることになった。
これが多くの方が知っている「塚田スペシャル」の歴史ではないでしょうか。
しかし、終わってはいなかったのです。
塚田九段は独自にこの戦法の改良を重ね、なんと5種類ものバリエーションを創り上げていました。
「塚田スペシャルは衰退したと思われていた方も多いかと思うが、私の中では徐々にではあるが進歩を遂げてきた。それがパート2からパート5、つまり第2章から第5章に書かれている。これは実際に採用した順序でもあり、私の相掛かり戦における歴史をたどる構成になっている」(まえがきより)
塚田スペシャルとは相掛かりで飛車先の歩を交換した後、いったん▲2六飛と引き、機を見てもう一度▲2四歩と合わせていく戦法です。そして相手の歩をかすめ取る、端を詰めるなどの得を積極的に取りに行きます、また、途中相手の出方次第では大乱戦にもなりますが、それこそ塚田スペシャルの待ち受けるところ。縦横無尽に飛車を盤上に走らせ相手を翻弄します。
パート2はパート1の▲3八銀を▲5八玉に変えた形。▲5八玉型ならではの攻め筋が生まれます。
パート3は「塚田スペシャル」と「中原囲い」のミックスバージョン。玉の堅い将棋が好きな方にお勧めです。
パート4は横歩取りの出だしで▲3四飛とするところで▲2八飛と引く形の相掛かりで塚田スペシャルを炸裂させます。横歩取りに慣れた相手は目がくらんで対応できないでしょう。
パート5は「塚田スペシャル史上最も激しい形」という、右桂を攻めに参加させる指し方。一度戦いが始まったら落ち着くことはありません。やるかやられるかぎりぎりの戦いになります。
塚田九段は言っています。 「塚田スペシャルはその激しい戦法が故、いつ何時でも絶滅危惧種である。しかしそのたびに研究を重ね、改良を加えればいいと考えている」
公式戦22連勝を成し遂げたスペシャリストが一つの戦法に30年こだわり続けた結果がこの本に詰まっています。
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