第1部 |
穴熊の名棋士 |
・「穴熊党総裁、振り穴を語る」
大内延介九段
第1局 飛角乱舞の大さばき
中原誠名人VS大内延介八段
第34期名人戦七番勝負第4局千日手指し直し局(朝日)
・「この道を進むしかない」 西村一義九段
第2局 競り合い制した会心の一局
村山聖八段VS西村一義八段
第31回早指し選手権戦本戦(テレビ東京)
・「時代を先取った異常感覚」 福崎文吾九段
第3局 穴熊感覚溢れる勝利
福崎文吾七段VS米長邦雄十段
第25期十段戦七番勝負第2局(読売)
・「振り飛車穴熊の限界に挑む」 広瀬章人八段
第4局 ギリギリの攻めで競り勝つ
屋敷伸之九段VS広瀬章人七段
第38期棋王戦本戦(共同通信) |
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第2部 |
棋譜解説 |
第1章 名勝負編
第2章 戦術別勝局編
第3章 熱局編 |
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◆内容紹介
「穴熊をただの『穴熊囲い』から『穴熊戦法』に昇格させることに成功しました。これが私の将棋史における大きな貢献の一つでしょう」(大内延介九段)
「当然ながら当初の頃は、皆振り飛車穴熊を軽視していました。だから結構勝率は良かったんです。だからだんだんと…。でも10年ぐらいかかりました。プロにこれは容易ならざる戦法だと認められるまでには」(西村一義九段)
「羽生世代が出てきて、どんどん将棋を体系的にしていきました。その中で穴熊を位置付けることによって、穴熊がきちんと評価されるようになったと思います」(福崎文吾九段)
「本当のトッププロ同士ですと、振り飛車穴熊オンリーで戦って、例えば七冠王とか実現したら尊敬しますね。可能性はないわけじゃないと思うんですけど。よほどのひらめきや才能が必要じゃないかと思います」(広瀬章人八段)
本書が第1弾となる将棋戦型別名局集。その名の通り、特定の戦型の名局を100局集め、解説とともに1冊にまとめた書籍です。
「穴熊党総裁」と呼ばれた大内延介九段が、当時の中原誠名人と死闘を繰り広げた1975年の名人戦。
異端とされることの多かった穴熊が名人戦の舞台に現れ、本格的な戦法として歩みだしたのが40年前のことです。
穴熊は、初めから優秀な囲いとして認知されていたわけではありません。玉頭位取り戦法に対して、どうしたら振り飛車側が最善の陣形を組めるのか、という将棋の技術的なテーマから生まれたものです。その後玉頭位取りは衰退し、代わって居飛車穴熊が現れ現在に至ります。この40年で穴熊戦法はどのような技術革新を遂げたのか。100局の名局が築き上げてきた将棋の歴史と、穴熊戦法に身を託して戦ったプロ棋士たちの軌跡をじっくりとご堪能ください。
また、本書冒頭には、監修の大内延介九段の他、西村一義九段、福崎文吾九段、広瀬章人八段の計4名のインタビューと自戦解説を収録しています。
名棋士たちが語る穴熊観、穴熊マニアならこれは見逃せません。
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