第1章 |
羽生善治デビュー |
天才少年登場/十年に一度の天才/天才の真価を発揮/負けてなお強し/今が旬の将棋 |
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第2章 |
佐藤康光、
森内俊之登場 |
大器佐藤、まず一勝/チャイルドブランド達の特徴/強い者の寄せ/ほんのちょっとのテクニック/泉、羽生が昇級/羽生、17連勝/佐藤の勝負運/森内好発進/勝率8割の秘密/羽生善治と村山聖/羽生善治VS河口俊彦/森内の強さ/羽生の奇跡/男を上げた剱持 |
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第3章 |
村山聖、
丸山忠久、
郷田真隆来る |
天賦の才/両天才の一騎打ち/羽生の強さ/羽生、まず一勝/羽生、勝負将棋に勝つ/本命が出てきた/羽生の投了/もう投げます/参考になる手順/大本命が敗れる/6月の技能賞/羽生は元の姿に戻った/負けなければよい、の自信/しっかりした勝ち方/新鋭がはばをきかす/今が旬の将棋/羽生が昇級に前進/森内、全勝で昇級/羽生の勝負度胸 |
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◆内容紹介
「中村修と羽生善治の対局の有様は、今でもよく覚えている。それは終った後に、となりで指していた中原が、帰りがけに『谷川名人も長くないな』と言ったからである」(あとがきより)
1985年12月18日、羽生善治四段昇段。天才少年はデビュー1戦目を△4五銀の妙手で飾り、それからも好手、妙手を連発し8割近い勝率で勝ち続けた。そして驚くべきは天才少年は一人ではなかったこと。
佐藤康光、森内俊之が立て続けにプロ棋界に参戦し、こちらも鮮烈なデビューを飾る。さらに「寄せは村山に聞け」とその名を轟かせた、西の天才・村山聖。先崎学、丸山忠久、郷田真隆・・・。のちに「羽生世代」と呼ばれる若者たちが一つの群れとなって将棋界を席巻したのがこの時代である。
新四段が次々に棋戦優勝を果たし、タイトル挑戦を決める。順位戦を駆け上がっていく。それまで将棋界で暮らしてきた者たちにとって、彼らの暴力的な強さ、その衝撃はいかほどのものだったか。
本書ではその疾風の有様を将棋界内部から捉え続けた河口俊彦七段の連載「対局日誌」で振り返るものである。
今なお続く「羽生世代の衝撃」。将棋界にとって空前にして絶後であろう奇跡の世代の原点がここにある。
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