第1章 |
王者の系譜 |
漂えど沈まず/羽生善治
そして神戸/谷川浩司
富士の如くに/中原誠 |
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第2章 |
将棋界を彩った千両役者 |
晩節香る/原田泰夫
本当の自由を味わう/佐藤大五郎
半身の姿勢/木村義徳
筋を通して生きる/高島弘光 |
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第3章 |
今を創る現役棋士 |
神の領域に挑む男/佐藤康光
天才とはサービス精神/内藤國雄
将棋だけでいい/森下卓
中間は求めない/深浦康市
自分らしく生きる/山田久美
もう一度鍛え直す/三浦弘行
棋士になるために生まれてきた/久保利明
石の上にも13年/近藤正和 |
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◆内容紹介
鈴木輝彦八段が棋士の本音に迫り、将棋世界誌上で5年以上に及ぶ長期連載となった「棋士それぞれの地平」。
勝者と敗者が明確に区別される世界で生きる頭脳集団。脚光を浴びるスター棋士だけが存在するわけではなく、それぞれが自らの才能と結果に折り合いをつけ、生きています。そこには自負もあれば悲哀もあり、神を目指す視線もあれば、後進の育成を願う優しい目も存在します。
まさに、棋士本人が語る、「それぞれの地平」がここにあります。
佐藤康光九段は鈴木八段の問いにこう述べています。
鈴木 名人位や竜王位、タイトルとは何だろう。
佐藤 選ばれるのだと思います。これは人格とかではなくて、技術です。
鈴木 人間的にと思われてるけど、高度な技術ですか。
佐藤 神の領域を目指しています。強くなる余地はいくらでもあると思っています。負けるのは基本的に技術が足りないからです。目指せる席にいたいです。
鈴木 神の領域はどうだろう。宇宙の果てを見にいくと帰って来れないよ(笑)。でもその覚悟は尊い。席というのはA級ですか。
佐藤 A級は席でもないです。タイトルでしょう。
将棋界という厳格な世界に生きている人々だからこそ、その言葉は強く響きます。
ぜひ本書を手に取って、棋士の言葉と、その人生を感得してください。
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