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寅ちゃん流上達法 なかなか強くなれないと悩んでいる人へ |
[総合評価] B 難易度:★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:A 初級〜中級向き |
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【著 者】 田中寅彦 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:1984年11月 | ISBN:4-8197-0113-4 | |||
定価:680円 | 222ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||
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【レビュー】 |
初級者向けに大局観を解説した本。タイトルには「上達法」とあるが、むしろ「上達の手引書」といった感じ。 第1章〜第4章では、初級者がレベルアップするために必要な将棋の原則を分かりやすく、かつ、しっかりと解説。特に第4章の「方向の三原則」は、初段を目指している人には必修課題だ。この4章分を読むだけで、「駒取り将棋」クラスからの脱却が可能。 また、図面の名前の付け方が非常にユニーク。他書では「第5図」「変化1図」などとなっているのが普通だ。本書では本線の図は「第1図」「第2図」と普通だが、変化図のほうは「守りを忘れた図」「定則にかなった図」「駒得に目がくらんだ図」「こっちがいいんじゃないかの図」など、その図の特徴をひとことで言い表している。この工夫がヒットで、図面慣れしていない人もスムーズに読むことができそうだ。 ただ、第5章・第6章はイマイチ。第5章は田中vs級位者3人の二枚落ち相談将棋だが、うまく定跡通りに誘導して下手を完勝させた「ツクリモノの棋譜」である。第6章は田中の実戦譜1局の紹介。これらの代わりに、形勢判断の重要要素である「玉の堅さ」について解説してくれるとよかった。その方が「居飛穴党総統・田中寅彦」らしかったと思う。 4章までなら完全にAだが、後半コケた感じなので惜しくもBとなった。(2005Jan08) |