ジェッツコミックス 3月のライオン (1)〜(17) |
[総合評価] [1巻まで] 絵: ストーリー:A 構成:A キャラ: |
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【著 者】 【著 者】 羽海野チカ 先崎学/将棋監修 | ||||
【出版社】 白泉社 | ||||
発行:2008年2月〜 | ISBN: | |||
定価:490円(5%税込) | ページ/19cm |
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≪2巻≫ 2008年11月 |
≪3巻≫ 2009年8月 |
≪4巻≫ 2010年4月 |
≪5巻≫ 2010年11月 |
≪6巻≫ 2011年5月 |
≪7巻≫ 2012年3月 |
≪8巻≫ ≪8巻(手帳付限定版)≫ 2012年12月 |
≪9巻≫ ≪9巻(おでかけニャーしょうぎ付限定版)≫ 2013年9月 |
≪おさらい読本 初級編≫ ≪おさらい読本 初級編 ブンちゃんがまぐち付限定版≫ 2014年9月 |
≪10巻≫ ≪10巻(BUMP OF CHICKEN]CD付特装版)≫ 2014年11月 |
≪11巻≫ 2015年9月 |
≪12巻≫ ≪12巻(西尾維新コラボ小説付き特装版)≫ 2016年9月 |
≪13巻≫ 2017年9月 |
≪14巻≫ 2018年12月 |
≪15巻≫ 2019年12月 |
≪16巻≫ 2021年9月 |
≪17巻≫ 2023年9月 |
【本の内容】 |
ヤングアニマルウェブの紹介ページ 「ヤングアニマル」連載中。2007年7月13日発売号から。 ◆内容紹介 その少年は、幼い頃すべてを失った。夢も家族も居場所も――。この物語は、そんな少年がすべてを取り戻すストーリー。その少年の職業は――やさしさ溢れるラブストーリー。 ◆あらすじ 〔1巻裏表紙より〕 主人公は、東京の下町に一人で暮らす、17歳のプロの将棋の棋士=桐山零(きりやまれい)。しかし、彼は幼い頃、事故で家族を失い、深い孤独を抱えた少年だった。そんな彼の前に現れたのは、あかり・ひなた・モモの3姉妹。彼女たちと接するうちに零は…。 様々な人間が、何かを取り戻していく優しい物語です。 〔4巻〕 獅子王戦の挑戦者となり、宗谷名人に挑む島田八段。体調不良の島田を気遣い、桐山は一路京都へ向かう――。河の流れのように進む優しいラブストーリー。 〔6巻〕 学校で友達をかばったために、いじめに合うひな。周りに負けず戦う彼女のために零はできることを必死に捜す。零は元担任の林田先生に「お前にできることを一つずつやりなさい。」と諭され、ひなのために戦うことを誓う。すべての読者の心を感動で震わす「3月のライオン」。戦いの第6巻ここに登場です。 〔7巻〕 新人王を獲った零だったが、いじめられているヒナのために、自分が何もできないと勝手に思い込んでいた。一方、ヒナは学校で心が折れそうになりながらも、懸命にいじめと戦っていた。二人の様々な思いが交錯する中、物語は新たな展開をみせる。「本当の強さとは何か?」あなたに問いかける『3月のライオン』第7巻、ここに登場です。 〔8巻〕 新人王となった零は多くの期待を受け宗谷名人との記念対局に臨むが、宗谷の重大な秘密を知り…。 一方、島田八段は棋匠戦で初タイトルをかけ柳原棋匠と死闘を演じる。お互いのすべてを出し尽くした勝負の行方は…? 「託される想い」その重さを読者の方に問いかけます。 〔9巻〕 高校進学を前に、ひなたは零の通う高校を受験することを決意。零もそんなひなたに勉強を教えながら将棋を指す中で、今の自分にとってひなたの存在がいかに大きいかを自覚し出し…。おでかけニャーしょうぎ付限定版も同日発売です♪ 〔10巻〕 零と同じ高校に進学し、充実した日々を送るひなた。3年になり、やり直した高校生活を自分なりに振り返る零。2人のもとに思わぬ人物が現れて…。 〔11巻〕 川本家に自分勝手な提案をする彼女たちの父親・誠二郎に、一歩も引かずに渡り合った零。あかり、ひなた、美咲、相米二、川本家の皆が彼の存在の大きさを感じていた…。零が自分の幼少期から現在に至るまでを振り返ったスピンオフ「ファイター」も併録。 〔12巻〕 藤本雷堂対土橋健司、桐山零対滑川臨也の対局は激戦を極めて…!? あかり、ひなた、島田、二海堂、林田先生も活躍の最新刊!! 〔13巻〕 三月町の夏まつりで島田と初めて出会い、あかりと林田は、思いがけずそれぞれに転機を迎えることに。8月に開催される真夏の戦い・東洋オープンで、二海堂は“宗谷を倒した男”になるべく負けん気をたぎらせる。彼の指す将棋の駒音が、零や宗谷や滑川達、他の棋士達の胸中にまで響き渡っていく。 〔14巻〕 夏まつり以降、急接近したあかりと島田と林田。不思議な3人の関係は時にすれ違い、時に重なり合いながら三月町や川本家を舞台に周囲の人々も巻き込んでいく。そして秋も深まる頃、零にとって最後となる駒橋高校の文化祭を迎えるが、奇しくも同じ日に開催される職団戦の会場に零はいた。クラスの出し物に奮闘するひなたと立会人を務める零。それぞれの場でそれぞれの思いを抱えながら過ごす秋の一日が始まる──。 〔15巻〕 ひなたの待つ駒橋高校の文化祭にぎりぎりで間に合った零。後夜祭のファイヤーパーティーの中で、ついに零からひなたへある思いが伝えられる。出会ってからの日々や思い出が心に浮かんでは消える時間。そこでふたりの間を行き交う思いは──。 一方、棋戦シーズンも真っ盛りを迎える。「天才」に異様な嫉妬を燃やす「元天才」の中堅棋士、重厚な棋風に経験という厚みを加えたベテラン棋士、対局するは一筋縄ではいかない相手ばかり。盤を挟んだ相手との静かなる対話を通して、己自身とも向き合う零。振り返るこれまでの道のり、そして感じる成長とは…。 〔16巻〕 12月。年末に向けて、冬が本気を出して来る季節。クリスマス。そして年越し。川本家で過ごす3年目のお正月は、ジグソーパズルを皆で囲んで。時に惑いながらも、あたたかな幸せをかみしめてゆく。零と三姉妹の日々はゆっくりと、着実に進んでゆく。一緒に、考えよう。一緒に歩いて行こう。 一方、白熱する獅子王戦・決勝トーナメント。零、二海堂、重田…互いに高め合い、切磋琢磨を繰り返して来た島田研の弟分たちが、盤上で熱い火花を散らす。見据える先は、師との公式戦という舞台。長い時間を共に歩んで来た同士が、その日々に見つけた答えとは――。 〔17巻〕 島田研の弟分同士であり、ライバルである二人の、白熱の対局−−獅子王戦・決勝トーナメント:零VS二海堂戦!! 奇策と取れるような手を繰り出す零に対し、あくまでも堅実に正攻法を行く二海堂。いつだって、そばに居た。少しでも長く、この時間をどこまでも。熱すぎる勝負の行方は、果たして…!? そして師である島田は――。 一方「三日月堂」3代目のあかりは、ひょんなことから…三月町に"おいしい"を振りまく大奮闘! 次から次へ、ご近所さんも巻き込みながら予想だにしない展開に!? そこには笑顔と、こみ上げる想いがあって… |
【レビュー】 |
深い悲しみを抱えた少年棋士の日常と成長を描いた将棋漫画。 コンビニで一番目立つところに置いてあったので少々ビビった(笑)。さて、作者の代表作といえばなんといっても『ハチクロ』(1巻オビにも「ハチミツとクローバーの羽海野チカ最新作!!!!」と書いてあった)だが、わたしは『ハチクロ』を読んでいないので、その印象は一切ない状態で読み始めた。 冒頭ページで若い女性が囁く─ 「ゼロだってー ヘンな名前ぇー ─でも、ぴったりよね アナタに だってそうでしょ? 家も無い、家族も無い、学校にも行って無い、友達も居無い」 いきなりドン引きです(なんか最近、将棋漫画にこのパターン多いな)。しかしツカミはOK。主人公・零に一抹の不安を感じながら物語はスタートする。 で、やっぱり零は髪が目と耳にすっぽりかかるほど伸びて、相当暗い過去を背負っていそうな感じだった。ところが、18ページ目あたりから急に雰囲気がコメディ調に。以降はシリアスとコメディが交互に展開する。切り替えが結構激しいので最初は違和感があったが、「羽海野ワールド」に慣れてしまうと面白くなってくる。話全体で見るとそんなに暗くない。というか、どちらかというと「結構明るい中に、ときどき影が差す」という印象。しかしその影が、深い…。 基本的に三姉妹が出ているときはコメディが多いが、ちょっぴり心温まるエピソードも。そして哀しみも…、こんな三姉妹いたらいいよね…。他のサブキャラたちも、ちょっぴり可愛くて憎めないキャラ多し。この人の漫画は基本的にそうなのかも? 全てを失った零は、全てを取り戻せるのだろうか。 対局シーンはときどき出てくるが、将棋がメインというわけではなく、第1巻時点では「ある少年の職業がたまたま棋士だった」という感じ。ただし、将棋の内容自体はちゃんとしたものを使っており、盤面図も正しいので将棋ファンも楽しめる(第3話の局面をひと目見て「ああ、藤井vs羽生の竜王戦か」と思ってしまうわたしって(笑))。もちろん将棋を知らなくても楽しめるようになっている。 将棋そのものをアツく(暑苦しく?)魅せる『ハチワンダイバー』とは対極に位置するような将棋漫画になりそうだ。なぜかエロっぽい漫画も載っている「ヤングアニマル」に連載されているが、どちらかといえば少女漫画好きな方向き。(2008Feb23) ※タイトル「3月のライオン」の意味は1巻時点では明らかにされていないが、おそらく3月に順位戦最終局が行われる(⇒昇級者・降級者が決まる)ことを指しているのだと思う。 ※(2008Aug06追記)Wikipediaによれば、"March comes in like a lion."=「暖かい春が来る」という意味のことわざだそうです。SPACE ALCの英辞郎 on the WEBによると、正確には"March comes in like a lion and goes out like a lamb."=「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく。」という意味だそうで。へぇ。 〔2017Sep15追記〕 現時点で12巻まで出版された。1巻じてんでは明らかにされていなかった人物像や設定が次々に登場して、すごく「魅せる」将棋マンガになってきたと思う。特に、主人公の対局シーン以上に、サブキャラたちの思いが伝わってきて、読んでいるだけでゾクっとしたり、気がつかないうちに涙が流れていることもしばしば。TVアニメ版でも映画版でも同じシーンで泣いてしまいました。 一時的に将棋とは直接関係ないドラマになることもあるので、「最高の将棋マンガ」といえるかどうかは分からないが、「最高の将棋を舞台にしたマンガ」というのは間違いないです。評価もB?からAに修正しておきます。 |