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■持ち駒のない詰将棋5手

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持ち駒のない詰将棋5手
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将棋パワーアップシリーズ
持ち駒のない詰将棋5手
[総合評価] B

難易度:★★☆
見開き2問
内容:(質)B(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:A
解説:B+
初級〜中級向き

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【著 者】 高橋道雄
【出版社】 創元社
発行:2015年8月 ISBN:978-4-422-75116-0
定価:1,080円(8%税込) 208ページ/18cm


【本の内容】
・5手詰=202問

◆内容紹介
本書の問題は
すべて「持ち駒なし」。多数ある詰将棋本の中で、こんな問題集は本邦初!

持ち駒のない詰将棋は、盤上の駒を動かして王手をする思考をしなければならないので、持ち駒のある詰将棋とは違う脳の使い方が必要です。また、玉方の駒を取って詰ますといった考え方もいります。本書は持ち駒のある問題とは違う詰めの感覚を養うのに最適であると同時に、これまでとは違う新鮮な問題を楽しむことができるユニークな202題を掲載。


【レビュー】
5手詰限定の詰将棋問題集。すべて持ち駒なし。

詰将棋は持ち駒があるのがメジャーであるが、持ち駒がない問題も割合は少ないが存在する。持ち駒は盤上の空いている枡に任意のタイミングで打てるので、持ち駒がない場合に比べ合法手の数が増し(人間にとって見えやすいかどうかは別問題だが)、問題がより複雑になる。

逆に言えば、持ち駒なしにすると合法手の数が少なくなり、問題が単純化しやすいので、詰将棋の出題では持ち駒なしを忌避するケースが多いと思われる。

本書は、あえてそこで「持ち駒なし、5手詰だけ」にこだわった詰将棋問題集である。


本書の詰将棋には以下のような特徴がある。

●平均的な難易度は、一般的な5手詰集よりもやや易しい。
前述のとおり、持ち駒がないと初手は盤上の駒を動かすことに限定されるので、選択肢が少なめになりやすい。必然的に、平均的な難易度は「一般的な持駒ありの5手詰」よりも易しくなる。「一般的な持駒ありの3手詰」よりは少しだけ難しいかもしれない。

 難易度: (易)一般的な3手詰 ≦ 本書の5手詰 <一般的な5手詰

ただし、相手の駒を入手して一時的に持駒にするのはアリ。一般的な5手詰では、短い手数に意外な手を凝縮したいので、駒取り(平凡な手と思われやすい)は滅多に出てこないが、本書では駒取りは頻繁に出てくるので、読みから排除しないように。


●易しいが、意外と手が止まる。
「一般的な詰将棋」では、高い駒をタダ捨てするとか、広そうな玉を少ない駒で仕留めるなど、指し将棋では盲点になりやすいような意外な手の価値が高い。逆に、「一般的な詰将棋」を解き慣れていると、そういった「意外な手」への感度が高くなってきて、「あっ、焦点に飛を捨てるんでしょ」とすぐに目が行くようになってくる。

そこで本書に取り組んでみると、あまり解き慣れていない[平凡な]手筋に意外と目が行かず、「あれっ?」と手が止まることは案外と多かった。特に難問はないのに(5手詰の最高難度をLv.10とした場合、Lv.2〜5くらい)、1〜2分考え込んだ問題も時々あった。


●難易度はほぼ平坦。
他書では、読み進めるにつれてだんだん難易度が上がっていく構成を採用していることも多いが、本書では問題の難易度は最初から最後までだいたい同じ。よって、どこから始めても良い。



初級者〜中級者が、3手詰から5手詰へステップアップするのは意外とハードルが高く苦戦することがある。そういう場合は、途中のステップとして本書に取り組んでみるのもいいだろう。

また、「詰将棋をやり始めたら勝率が下がった」という人にもオススメ。本書では「本当に実戦的な手筋」が多く見られるので、実戦力アップには役立つだろう。ただし、本書だけをやっていると読みの伸びが止まってしまうので、他書と併用したい。

たまにはこんな本もいいと思った。(2017Dec31)


※誤字・誤植等:
152問目 余詰めあり。(2019/3/6 toshi11さんよりご指摘)
創元社HP「訂正のお知らせ」にて訂正あり



【関連書籍】

[ジャンル] 
詰将棋
[シリーズ] 
将棋パワーアップシリーズ
[著者] 
高橋道雄
[発行年] 
2015年

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