zoom |
初段に挑戦する将棋シリーズ(2) なぜ疑問手か? イモ筋をプロ筋に!! |
[総合評価] A 難易度:★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 初級〜中級向き |
||
【著 者】 石田和雄 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:1980年6月 | ISBN:4-422-75052-6 2376-750521-4202 |
|||
定価:850円(初版680円) | 222ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
◆内容紹介(表紙より) |
【レビュー】 |
次の一手形式で、筋悪を直していく本。 将棋には「筋悪」という言葉がある。「相掛かりで▲7八銀」「振飛車で▲7七銀」「歩を交換されてすぐに歩を打てしまう」「終盤で玉から遠い駒を取りにいく」…これらはすべて筋悪。本書では「イモ筋」と表現されている。初級者・中級者がつい指してしまうイモ筋を、一つ一つ矯正していこうというのが本書のコンセプトである。 解説は見開き完結型。右上に問題図、右下〜左上でイモ筋の解説、左下で本筋の解説。問題は良質で、解説もかなり詳しい。よく「ここはこう指すところ」と書いてある棋書を見かけるが、本書ではそういう記述は一切ない。必ず納得のいく解説がしてある。ひとことでいえば「『アマの将棋ここが悪い!』の第1巻〜第3巻を一冊にまとめました」。(本書の方がずっと早いけど) すでに初版から25年が経過しているが、いまだに現役本。内容もまだまだ問題なく使えると思う。あえて指摘すれば、28pで「横歩取り△2三歩型で、△2五角に▲3六飛はイモ筋」とあるが、羽生らの研究により現代では「▲3六飛もある」となっている。これ以外の箇所は十分役に立つ。最後の1問だけ、角不成の連発で決めていてあまり実戦的でないが、ご愛嬌でしょう。 地味ながら、級位者に自信を持って薦めたい一冊。 なお、このシリーズ1冊目の『仕掛けの時機』(大内延介,1980)ではたくさんの誤植があったが、本書ではまったく無かった(初版どうしでの比較)。(2005Feb20) |