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中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ 四間飛車 〔3度〕将棋が強くなる |
[総合評価] B 難易度:★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 中原誠 | ||||
【出版社】 大泉書店 | ||||
発行:1984年4月 | ISBN:4-278-08110-3 | |||
定価:650円 | 216ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
・四間飛車を破る攻略法
・四間飛車戦の『次の一手』=20問 |
【レビュー】 |
「△四間飛車3二銀型vs▲5七銀左急戦」の定跡書。 「中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ」は、独特の構成が特徴。上段(2/3くらい)で定跡を解説し、節目の局面では次の一手問題が出題される。解答は三択で、出題ペースは約10ページに1問の割合。読者が考えるので読んでいて飽きにくく、急所の変化を理解しやすくなっている。また、下段(1/3くらい)では部分図による次の一手問題を出題。上段の解説部とは直接関係ないが、基本的な手筋問題が多く、有段者を目指す人には絶好のトレーニングとなる。 本書の基本図は右図。▲5七銀左急戦に対して、△四間飛車が3二銀型で待機している。ここで△6四歩なら▲3五歩早仕掛け、△5四歩なら▲9七角戦法、そしてどちらでも使えるのが棒銀戦法というわけだ。すなわち、「山田定跡の表と裏、そして棒銀」。 解説は本筋に絞ってあり、丁寧で分かりやすい。次の一手も効果的に使われているので、特に山田定跡をマスターするにはちょうど良いと思う。ただ、棒銀のほうは難しい局面で解説が打ち切られているし、後半は単なる実戦解説なので、棒銀をマスターしたい人は他書を探したほうが良いだろう。 わたしの経験から言えば、対四間飛車戦で右図になるのが2割くらい、そしてそのほとんどが△1二香としてくる。つまり本書の内容は、現代では「絵に描いた餅」に近いのだが、基本知識として知っておく必要はある。最近は山田定跡をやさしく書いた本が少ないので、本書を一読しておくのも悪くない。(2004Dec23) |