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ビッグコミックススピリッツ リボーンの棋士 全7巻 |
[総合評価] A (1巻時点) 絵:A ストーリー:A 構成:A キャラ:A |
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【著 者】 鍋倉夫 鈴木肇/棋譜監修 | ||||
【出版社】 小学館 | ||||
発行:2018年10月〜2020年8月 | ISBN: | |||
定価:638円(8%税込) | 216ページ/18cm |
【本の内容】 |
〔1巻〕 (1)朝陽 (2)軽悔 (3)旧知 (4)悲憤 (5)開戦 (6)形相 (7)前知 ◆内容紹介 〔1巻〕 敗北は逆転の母!挫折の底は再生の胎内!! プロ棋士養成機関・奨励会で、四段に上がれないまま26歳になった安住浩一は、年齢制限の掟により退会させられ、プロへの道を閉ざされた。そこからは、人から距離を置かれ、年下からも見下される日々。それでも安住は、明るく笑顔で前向きに振る舞った。嫉妬は、湧いてもそれをかき消した。そうしているうちに、眩いほどのプラスオーラが身についた。将棋を忘れて、この生き方でいいはずだ、とも一時は思った。しかし、人生から将棋を切り離せなかった。アマ棋士としてのリスタートを決意する、安住。その棋風は以前とは違う、まったく新しいものに進化していた。 〔2巻〕 プロ棋士も絶賛の本格将棋ドラマ!! プロ棋士も驚く新戦法を開発した、アマ棋士の安住。かつてプロ養成機関・奨励会を年齢制限により退会させられた男は、逆転への一歩を踏み出した。 〔3巻〕 プロへの挑戦権をかけ、安住と土屋が激突! アマ竜皇戦全国大会、ついに開幕。ベスト4以上でプロ棋戦への出場権が得られるこの大会で安住と土屋が、プロへの挑戦権をかけて激突することに…ネガティブ思考から練り上げた将棋で、覚醒する土屋。一方、ポジティブを貫き、将棋を楽しもうとする安住。相反する二人の棋風がせめぎ合い、火花を散らす中で、その対局は、想像を絶する高次へと突入する!! 〔4巻〕 フリーターvs中学生!アマ竜皇戦決勝!! アマ竜皇戦全国大会、ついに決勝戦へ。準々決勝で土屋を倒し、プロ棋戦への挑戦権を獲得した安住。決勝の相手はなんと、デジタルネイティブ中学生!?リアルでの将棋経験はゼロ。しかし、ソフトやネットで勉強を重ねた定跡に囚われない手が次々と繰り出される。会場の注目は若き才能を持つ中学生へと集中し、完全アウェイ状態となる中、安住が指す手とは!? お互いの信念を、人生を懸けた対局は二人を将棋の真髄へと誘う!! 〔5巻〕 新章「竜皇戦編」開幕!初戦の相手は――? 長い長い激闘を制し、ついにアマ竜皇となった安住。次なる舞台は、アマチュアではなく、プロの世界! アマチュア優勝者としてプロ棋戦「竜皇戦」に招待され、ここで結果を残せば念願のプロ棋士へ近づく大きなチャンスだが…知らされた初戦の相手は、なんと安住の師匠だった。 安住が奨励会を去ってから3年、一度も会っていないこの二人。安住が挫折の底から這い上がり、将棋を楽しむ心を取り戻した一方、師匠・伊達もまた、大きな変貌を遂げていた―― 棋界では、弟子が師匠に勝利することを「恩返し」と言う。奨励会を去り一度は潰えた「恩返し」の夢を、いま再び果たせるか――!? 〔6巻〕 恩師との死闘、その結末は――!? アマチュア大会で優勝した安住は、プロ棋士全員参加の「竜皇戦」に参戦!初戦の相手は、奨励会時代の恩師・伊達。 師匠と本気でぶつかり合いたい安住に対して、ことごとく攻めを受け流す伊達。すれ違う師弟の思惑だったが、安住の闘気みなぎる手の連続に、恩師の眠っていた闘志が次第に呼び覚まされ―― 一方、土屋は悲願のアマチュア大会優勝を目指し、「アマ王匠戦」に参戦。そこには思わぬ人物が……!! 〔7巻〕 “元奨”たちの人生逆転ドラマ、完結巻!! 恩師・伊達との死闘を制し、プロへの道を一歩一歩縮めてゆく安住。 だが、突然現れた五十嵐という無名の少年にまさかの惨敗を喫する。 あどけなさの残るその少年は、将棋の神に愛された"天才"だった―― 才能。そして将棋への愛。あらゆる面での圧倒的な差を前に打ちのめされる安住が、葛藤の果てに見つけた答えとは!? そしてプロ棋士編入という人生を賭けた挑戦、その結末は――!? |
【レビュー】 |
“元奨”の青年が主人公の将棋マンガ。 〔あらすじ〕 “元奨”・安住は、忘れようとしても忘れられない将棋への思いに気づく。やっぱり将棋を指したい! 〔主な登場人物〕 [安住浩一(あずみ・こういち)] 29歳、♂。元奨(元・奨励会在籍者)。退会後はカラオケ店でバイトをしている。笑顔は取り戻せたが、将棋への未練に向き合い中。やっぱり将棋が好き! [森(もり)](1巻時点ではファーストネーム不明) 26歳、♀。劇団員。安住の同僚。将棋ファン。安住が将棋を再開するキッカケになる。 [明星(あけぼし)](1巻時点ではファーストネーム不明) 18歳?、♂。中学生で四段入りし、現在B級2組、タイトル挑戦中。安住の最後の三段リーグで安住を破り、三段リーグを一期抜け。長髪で、本気になると髪を束ねる。元奨から見ればスーパーエリートだが、平手でアマには負けられない! [土屋貴志(つちや・たかし)] 29歳、♂。元奨。安住とは旧知。やや屈折しており、あまり感情を顔に出さないが、いつも不機嫌顔。でも将棋で負ければやっぱり悔しい! [片桐豊(かたぎり・ゆたか)] 34歳、♂。アマ三冠。純粋アマで、プロに勝率5割。東大卒のエリート商社マン。でもやっぱり奨励会に入りたかった! 〔寸評〕 ・タイトルの元ネタはもちろん『リボンの騎士』(手塚治虫)だが、全く無関係。 ・「リボーン」は「reborn」で、「生まれ変わる」の意味で使われている。 ・将棋を始めたころの気持ちを思い出したり。 ・「過去の後悔やら、挫折やらを何とか乗り越える」がストーリーの表看板で、「将棋大好き人間たちが裏街道(アマ棋戦での活躍)でプロを目指す」というのが裏看板になりそう。 ・1巻時点では、純粋に「人間の内面」を描いている感じ。(強さのインフレとか、能力者とかにはならないことを願う) ・安住と森でちょっとLOVEがあるのかとおもったら、結構硬派な展開でした。(1巻時点) ・森は一応、2巻(2018年12月末発売予定だそうです)の予告には安住よりも出てます。 ・盤上の具体的な形勢云々よりもドラマ重視なので、将棋そのものがあまりわからなくても、奨励会を目指したことがなくても(笑)OKです。 〔総評〕 一見ふざけた(?)…というか、パロディ色の強いタイトルの作品ですが、リアリティはかなり高く、丁寧に描かれたキャラの表情や内面のモノローグは結構刺さってきました。 例えば、主人公・安住の奨励会時代の表情と、「やっぱり将棋が好き」に気付いた後の表情は、違いはごくわずかですが、いい感じに違いが出せていると思います。 ギャグや萌え要素は一切なく、主人公が無双を振るうわけでもない、ハードボイルドな展開が一般層にどれだけ受け容れられるか分かりませんが、少なくとも私はグイグイ引き込まれました。自分の中に、安住が、土屋が、片桐が居るんだな、と。 オトナの将棋好きならどんどん先が読みたくなるはずです。今後の展開次第ですが、1巻はAで。(2018Oct11) ※表現上の小ミス (あえて、気になったところを挙げてみます) ・横歩取りの展開で、14手目の後手も飛先交換したところで「横歩取りを誘ってる?」は、かなり遅い感じ。▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩の4手でもう「横歩やろうぜ」ですよね。 ・アマ棋戦の東京都予選で、アマ二段が決勝トーナメントに残るのは、まず不可能ですよね… ・アマ超強豪が、プロ編入試験の話をTVニュースで合格が報じられるまで知らないのは、ちょっと不自然かな… |