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女流棋士
石橋幸緒物語 〜サッちゃんの駒 |
[総合評価] B 絵:A ストーリー:A 構成:B キャラ:B |
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【まんが】 北崎拓 【自戦記】 石橋幸緒 | ||||
【出版社】 小学館 | ||||
発行:2008年4月 | ISBN:978-4-09-387784-8 | |||
定価:1,050円(5%税込) | 195ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||
・【巻頭カラー】さっちゃんメモリアルフォトアルバム=4p(13カット)
・サッちゃんのごきげんdeコラム=5p |
【レビュー】 |
石橋幸緒女流王位(出版時)の半生を描いた漫画+自戦記。漫画部は「小学六年生」2001年4月号から10月号まで掲載された「さっちゃんの駒」を収録したもの。石橋の生誕から、19歳で初タイトル(女流王将)を獲得するまでを綴っている。 石橋は、未熟児+腸閉塞の状態で生まれ、「3日もつかどうか」の命だった。一命は取り留めたものの、 ・「3歳までに3回の大手術」 ・「体中あちこちにチューブをつけられて寝ているだけの生活」 ・「栄養はチューブで直接体内へおくられている薬だけ」 ・「自分の口でなにも食べたことがない、なにも飲んだこともない」 ・「4歳まで一歩も病院のベッドからおりたことはない」(以上、すべて第1話より) すでにここまで読み進めた時点で、3歳の娘を持つ私にとっては信じられないようなつらい生活である。 ・「生まれてこのかた何百本も点滴を入れてきたわたしの体には、新たに点滴を入れられるところはあまり残っていない」(第5話) その後、ある程度体力のついた石橋は、偶然に、むしろ運命的に将棋教室の門を叩いた。そしてそこの席主の娘が、あの清水市代だったという。 石橋のがんばる姿もさることながら、母の強さも見所だ。体が弱い石橋を献身的に守る一方で、石橋の心の支えとなっている将棋のことであれば「殺しさえしなければ、強くなるためになにをしてくださってもかまいませんから。」(第4話)など、かなり衝撃的な“強さ”である。 なお、石橋本人・母ともに容姿がかなり美化されているのはご愛嬌。北崎氏の画がよかったということで。(本人たちも前書きで認めています) 後半は自戦記5局。思い出の対局を綴ったもので、手の解説はかなり少なく、ほとんどはエッセイ調。女流王将を獲得したのが1999年で、漫画が描かれたのが2001年であるが、自戦記は基本的に現在28歳の「LPSA(日本女子プロ将棋協会)理事・石橋幸緒」の目で書かれている。 小学中学年〜高学年の人にぜひ読んでほしい内容だと思う。全ての漢字がルビ付きなので読むのは問題ないが、薄めの本なのに\1,050の価格設定はちょっとハードルが高いかも…。(2008Oct15) |
【他の方のレビュー】(外部リンク) ・Amazon.co.jp: カスタマーレビュー ・マーク・ダーシーの日記 ・所沢のこいぬまのホームページ |