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週将ブックス 駒落ち必勝法 定跡なんかフッとばせ |
[総合評価] A 難易度:★★★ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 湯川博士 【監修】内藤国雄 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:1985年9月 | ISBN:4-89563-501-5 | |||
定価:780円 | 230ページ/18cm |
(文庫版) |
MYCOM将棋文庫(13) 定跡なんかフッとばせ 駒落ち必勝法 |
[総合評価] A 難易度:★★★ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 湯川博士 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2003年6月 | ISBN:4-8399-1140-1 | |||
定価:700円 | 232ページ/16cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
■内容紹介(MYCOMホームページより) |
【レビュー】 |
駒落ち定跡(二枚落ち以下)の指南本。あくまでも“指南本”であり、“定跡書”ではない。「駒落ちの大局観を教える本」といったところか。 六枚落ち・四枚落ちの下手速攻や、二枚落ちの二歩突っ切り木村定跡は、いずれも華麗な下手必勝定跡である。しかしこれらの急戦定跡は、実はほんのわずかな違いでも成立しない、いわば幻の定跡である。しかも、上手がプロや駒落ち名人ならば、まず定跡どおりに潰れてくれる人はいない。それで泣きを見た人も多いだろう。 本書はまず、速攻定跡のウソを暴き、勝ちにくさを解説。ここでいう「ウソ」とは、仕掛けてからの手順のウソではなく、仕掛けの前に上手が用意するさまざまな落とし穴のことである。次に、しっかり玉を固め、ゆっくり戦い、、できるだけ全軍を躍動させ、定跡に頼らず「自分のフォーム」で戦うことを奨励する。そして、「自分のフォーム」を実現させるには「銀多伝」が最優秀である、と。この「なんでも銀多伝」が本書の最大の主張である。 銀多伝は平手の玉頭位取りに似ていて、広さと堅さを兼ね備えた理想形である。本書を一通り読めば、銀多伝のコツも分かってくる。文章も読みやすく、しかも興味深い内容が続出。上手5五歩止めに対しても銀多伝で対抗できるというのは、ちょっとした驚きだった。なお、第3章最後の「銀多伝崩し」は、銀多伝阻止の方法ではなく、「どうだ、これでも銀多伝にするのか」という上手の挑発的な指し口の紹介である。知っていれば、上手がどんな手段に出ても、落ち着いて「自分のフォーム」で戦えると思う。 定跡どおり指したつもりなのに、上手にコテンパンにやられた経験を持つ人なら、本書は目からウロコの一冊となるだろう。わたしも、手順にとらわれすぎない銀多伝のポイントが分かって、目が覚めた気分。入手困難で、所蔵がある図書館もやたら少ないようだが、一読の価値は十分にある。(ちなみにわたしは浦安市図書館からお借りしました) P.S. 将棋盤を上手に投げつけてはいけません(笑)。(2003May08) |